学生を卒業して社会に出ると、仕事・家事・育児などに追われて生活習慣はどうしても乱れがちになりますよね。若いうちは少し無理しても一晩寝れば翌日には何事もなかったように身体は回復してくれます。
しかし、年齢を重ねれば重ねるほど疲労は雪だるま式に増えていき、元気になったと思ったら数日もするとまた疲労困憊…。
うんざりするような現実ですが、繰り返すのは疲労だけではありませんよね。
大人ニキビも同じようにあなたの生活習慣の隙を突いてきます!
思春期の頃のニキビと違い、治ったと思っても繰り返し同じ部分にできてしまうし、一度できてしまうと治りにくい上にニキビ跡にもなりやすい…。
今回はそんな憎たらしいとさえ言える大人ニキビの原因から効果的な対策をご紹介します。ぜひ参考にしてください。
思春期ニキビと大人ニキビの違いとは
結論から言うと、大人ニキビの原因はライフスタイルの乱れです。
一度ライフスタイルが乱れてしまうと、ライフスタイルを整えない限りは何度でも大人ニキビはあなたを襲います。
これが思春期ニキビとの決定的な違い。
思春期ニキビの原因は毛穴が小さくて皮脂が詰まりやすい成長期に皮脂の分泌が盛んになることで起こります。しかし、成長期が一段落して皮脂の分泌が落ち着けば自然と減っていくのが特徴。
その証拠に思春期ニキビと大人ニキビでは発生しやすい場所が違います。
- 思春期ニキビ:額や鼻などの皮脂の分泌が盛んな場所
- 大人ニキビ:頬やあご、首筋などの乾燥しやすい場所
原因も違えば、発生する場所の違うのですから、思春期ニキビと同じような感覚で対策をしていては有効とは言えませんよね。
大人ニキビの原因となるライフスタイルの乱れ
遠回りのようですが、乱れたライフスタイルを少しずつ整えていくのが王道です。小手先のテクニックで「頑張っている感」に酔うのではなく、地に足ついた実のある行動を選択しましょう。
具体的には以下のポイントについて一度振り返って問題がないかをチェックしましょう。
- 不規則な生活を送っていないか?
- 睡眠不足になっていないか?
- 食生活が乱れていないか?
- 疲れを溜め込んでいないか?
- ストレスを溜め込んでいないか?
- 肌が乾燥していないか?
- 喫煙を控えているか?
- 紫外線対策を怠っていないか?
「いや、整っている人のほうが珍しいんじゃないの?」と思うような項目ばかりですが、放置していい理由にはなりません。
放置した末路と少しずつ習慣を見直すことで得られる未来を天秤にかけましょう。
「すいません、何回も習慣を見直そうとはしてきたんです。だけど、失敗ばかりで嫌になり投げ出しました。」という人のために習慣化についても秘訣をご紹介しますので安心してくださいね。
大人ニキビの種類とは
「大人ニキビ」を単純に大人になってからのニキビだと思っていてはいけませんよ。自分のニキビの種類を知っておかなくては、適切な対処ができませんから。
詳しくは「10年後のあなたの肌を決める!ニキビ跡ができてしまった肌を綺麗にする方法」で解説しているので、そちらを御覧ください。
ここでは一見すると大人ニキビのようでいて実はそうでない症状をご紹介しておきます。大人ニキビ対策をしているのに改善されない時の参考にしてください。
大人ニキビと似ている症状1:毛のう炎
毛包と呼ばれる毛穴の奥の毛根を包んでいる部分に起こる炎症のこと。原因は毛包部にできた傷から入り込んだ黄色ブドウ球菌などの細菌による炎症。全身のどこにでもできますが、首の後ろ、太もも、臀部などに比較的よく見られるのが特徴。
管理が行き届いていない入浴施設などで緑膿菌と呼ばれる菌に感染して起こることもあります。
大人ニキビと似ている症状2:おでき
毛のう炎が進行して、周囲にまで炎症が広がった状態です。膿が盛り上がり、皮膚が赤みを帯びてズキズキと痛むのが特徴です。
大人ニキビと似ている症状3:稗粒腫
目の周りや、目の下、まぶたなどに見られる粒のことです。白い粒が透けて見えるのが特徴で白ニキビと勘違いしやすいのですが、その中身は脂肪ではなく角質の塊。皮膚の新陳代謝が滞るとできやすくなるのが特徴で、加齢に伴い増えることがあります。
自然に治るのを待つのは時間がかかる上にスキンケアなどでは対処できないので皮膚科で診ていただくのがおすすめ。
大人ニキビと似ている症状4:粉瘤
表皮が袋のようになって、そこへ皮脂や角質が溜まって皮膚が膨らむ疾患。異常な速度で大きくなることもあり、押したりすると嫌な匂いがする物質が出ることがあります。しかも放置していてもニキビのように自然に治ることはありませんし変色することも。治療は基本的に手術になるので「粉瘤かも?」と思ったら速やかに皮膚科へ行きましょうね。
大人ニキビのための対策とは
残念ですが、大人ニキビを一撃でやっつける魔法の弾丸はありません。
おさらいですが、大人ニキビの原因はライフスタイルの乱れです。手っ取り早いのはニキビができない人の習慣を真似ることです。詳しくは「あなたはいくつ当てはまる?ニキビができない人の特徴7選!」で解説しているので参考にしてください。
しかし、習慣が大事だと頭では分かっていても肝心の習慣を改善する方法が分からなくては意味はないと断言できます。知識は実際に使いこなせるようになって初めて価値があることに異論はないことでしょう。
ここでは多くの人が挫折する習慣化のポイントをご紹介します。非常に応用が効くので是非参考にしてください。
挫折せずに習慣化を成功させる秘訣は次の4つです。
- 一定期間一つのことに集中する
- 時刻・場所を決める
- 小さな習慣から始める
- 朝に新しい習慣に取り組む
順番に解説していきますね。
一定期間一つのことに集中する
多くの人は「アレも身につけたい!コレも身につけたい!」と欲張りすぎです。気持ちはわかりますが、私達の意志力には限りがあるのが現実。スキルアップのための勉強、ダイエット、掃除など一度に多くのことに挑戦すると意志力が分散されます。その結果、どれも中途半端になり、結局は身につかずに挫折…。
新しい習慣を身に着けたい時は一点突破あるのみ。個人差と新しい習慣の難しさにもよりますが、2〜3ヶ月もすると身につくので一つ身についたら次の習慣というように順番に習慣化していきましょう。
時刻・場所を決める
学生時代に自宅ではなく図書館で勉強をすると捗ったという経験は一度はあることでしょう。人間の体は時刻や場所という環境に影響されやすいので新しい習慣と時刻・場所を紐付けると効果的です。
小さな習慣から始める
ハードルの高い習慣を身に着けようと思えば、当然ですが、心理的な抵抗も大きくなり挫折する可能性が上がってしまいます。
大きなステーキを食べようと思ったら、一口サイズに切り分けて食べますよね。習慣も同じです。
例えば、掃除を習慣化したい場合は「玄関だけ」「トイレだけ」「キッチンだけ」などと一口サイズにしてしまうのです。すると不思議なことに次第に大きな習慣が身につきやすくなります。
朝に新しい習慣に取り組む
朝は脳が最もリフレッシュした状態であり、意志力が満タン。習慣化のゴールデンタイムとも言える時間です。
逆に夜は最悪です。仕事などが終わり夜に新しいことを習慣化しようとして挫折する人が多いのは脳の意志力が枯れているからです。さらに「自分はなんて意志力が弱いんだ…。」と思い込み自己嫌悪に陥り挑戦することそのものを避けるように。
まとめ
結局の所、あなたのライフスタイル、つまり習慣が大事なんだよという超がつくほどの正論となりました。
言い換えれば、あなたが最適な習慣を身に付けさえすれば大人ニキビはそこまで恐ろしい敵ではないということでもあります。
とはいえ、万全の対策をしてもニキビができてしまうこともあるでしょう。
セルフケアでは太刀打ちできないと感じたら皮膚科も検討してくださいね。皮膚科での治療については「何をしてもニキビが治らない時の最後の切り札、皮膚科について」でまとめています。